太陽光売電システムの矛盾
太陽光発電はお天気次第で、発電が瞬間に100~0 に、当初から技術的に限界のあるシステムなのです・・・
この度、太陽光発電の買い取りを中止する電力会社が続出していますが、技術屋から見れば当然の流れなのです・・・
水道設備を譬えにして簡単に説明しますと、水を配水場から一般の需要家まで送水するために配管が必要ですが、配水場から末端の需要家までの配管サイズは徐々に細くなっていきます・・・
これは経済的にも当然の理由です・・・
今回の太陽光発電は、大きな発電設備設置をするには広大な土地が必要ですから田舎やゴルフ場などのような人里離れた土地に設置することになります・・・
当然、変電所から遠く離れた末端のほうに設置されることになりますが、水道の配管と同じで、変電所から一般需要家の末端に至る配線は電気の使用量に合わせた機器類や配線サイズで送電されています・・・
そのようなシステムで送電されていますので、今回の太陽光発電設備は一番末端に大容量の発電設備を接続することになるのですから、逆流することになり、当然ながら電線の許容電流や変電設備の容量をオーバーすることになります・・・
周囲に電気の大消費地を控えている都市や工業地帯なら地産地消のように発電した電力を地域で消費することが出来ますが、田舎や山奥の遠隔地で発電された電力は逆送電が必要になります・・・
今回、税制の特典や27年4月から買い取り価格が4円下がるとの理由により、儲かる今がチャンスと一気に太陽光発電設備に投資する企業や資産家が現れました・・・
当然こんなことが起きることは想定の範囲で、あまりにも身勝手なコメントをしたり,
買い取りを続けろと無理を言う県知事さんなどの発言は勉強不足丸出し・・・
もっと術術屋の意見をしっかり聞くべきですね・・・
どんなビジネスもリスクは必ずあるものです・・・
電力会社が送電網を整備するにも土地の買収や設備の更新に多額の費用や時間が必要で、技術的な問題も多々あり、ほんとに長期間を要するものです。
お金だけでは解決しない電力事業者の事情も少しは勉強する必要があるのでは・・・
当然ですが、電力会社は、もっと実情をはっきり知らせるべきです。
投資の被害者が増えないうちに・・・
ご参考に、弊社は22000V4000KVA重量約8トンのトランス更新工事を受注していますが、参考までに申し上げますとこの工事を完成させるのは来年の5月・・・
つまり、受注して約7か月後になります。
たった一台のトランスを更新するのに7か月の期間を要するのです・・・
電力の送電システムを変えることを考えたらどれほどの時間をようすることになるのか、このような現場の事情も知らず法律を振りかざしたり安易にシステムを更新できるとのたまう元国のリーダーのなんと能天気なことかと・・・
断っておきますが、弊社は電力会社から仕事は一切いただいていません・・・
技術屋の立場から、技術的に、物理的に物事を判断しています・・・